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仏足下的虛空 
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NOVAが跳ね、ジオスが空転――日本人に英語は必要ないのか?

(1)フトコロが寒い

 不況続きで教室や習いごとを節約する人が増えた。個人のフトコロだけでなく、福利厚生費という会社のフトコロも縮小、法人需要減もキツい。“企業は人なり”の言葉がホントなら、不況脱出のため、今こそが投資時期だというのに。

(2)時間の余裕がない

 企業の第一線で働く20〜30代の人々は、過酷なまでに働いている。リストラの余波で、仕事量がドンと増えた。「帰れない」「休めない」「遊べない」、だから学べない。

(3)差別化の果てに

 マラソンにアドベンチャー、マンツーマンや少人数、お茶の間や聴き流すだけ、美人やイケメン講師、カフェでレッスン……。たかが英語、されど英語。学習方法が多様化しすぎて、どれが一番効くのか迷ってしまう。差別化の果てに、差別化がなくなった。

(4)うさぎの影響

 NOVAの破たんで、受講者が学校事業に不信感を抱いた。影響は甚大だったにせよ、同社の経営破たんは、受講生数がピークを打ち、減少トレンドに入った後である。ダウントレンドに拍車をかけたが、それだけではないようだ。

(5)日本人が海外を目指さなくなった

 「なりたい自分になる」という思いと英語とが結びつかなくなった。海外に出なくても、豊かな国ニッポンで十分。そんな“心理的ガラパゴス”がまん延していないか。

 覚えているだろうか。昔の英語学校のCMで、太平洋に向かって手を広げて「やるぞ〜」と吠えるシーン。今は「そんなの恥ずかしいや」となってしまう。「今さら英語なんて」という思いが広がっているのだ。告白すると、私はどちらかと言えばその“恥ずかしいクチ”だったりする。

●Why Englsh?

 私の英語体験は祖父とのマンツーマン・レッスンから始まった。小学校4年生のころだろうか、ある晴れた日曜日、自宅の2階で祖父と向き合い、日だまりの中で英語の本を開いた。「Repeat after me、読んでごらん」と始まったレッスン。単語を1つ2つ覚えただけだったが、「もう中学生」の気分で自分が何やら誇らしかった。

 お陰で英語嫌いにならなかったが、語学の才能もないのに感化されすぎた。南の国にワーキングホリデーという名の“語学放浪”をし、社会人も落ちこぼれから始まった。英語と無縁に過ごした数年後のある日、「海外駐在したい!」というヨコシマな思いで一念発起。TOEICでは試験テクを究めて、930点という後光の差すようなスコアをゲット。この連載では、数多の英文を誤読しながら海外商材を紹介し、背中を汗でびっしょりにしながら英語インタビューをお届けしている。

 「なぜ海外なのか?」「なぜ英語なのか?」。若いころはこう思っていた、「日本は何て退屈な国なんだろう?」。今はちょっと違う、「日本“だけ”では、退屈だから」。

 発想も同質なら感情も同質、行動も同質な極東日本国。新奇な記事ネタも少ない。しかし、Twitterで英語タイムラインをフォローすれば、個性的な変態(笑)が海外にはゴロゴロ。同質社会から一気に抜け出せる。海に向かって「やるぞ〜!」と吠えるほうが退屈しない。

 思えば祖父の時代から、いやもっと前から、日本人はみんな吠えてきたのだ。

●英語で吠えてきた日本人たち

 祖父は英語が堪能だった。輸入商として英語をビジネスで生かした後、1950年代から1960年代にかけて、欧米やオーストラリアへ能楽師として海外公演で渡航。能楽師一団の通訳も務めたから、伝統芸能や日本文化を伝える伝道者でもあった。

 祖父と同世代に、吉田茂首相の懐刀として、英語を駆使して米国高官と渡り合った白洲次郎氏がいる。祖父は白洲氏のようにかっこよくはなかったが、英語ができる日本人の1人として「海外に向かってやるべきことをやった人」だと思う。

 幕末には吠えた人がたくさんいた。4月25日放映のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では、ジョン万次郎と坂本龍馬が語るシーンがあった。

坂本龍馬 なぜ日本に帰ってきたとですか?

ジョン万次郎 わしは日本人じゃ。

 漁船が難破・漂流し、漂着した島から米国本土に渡り、勉強し働いた幕末の志士、ジョン万次郎。望郷の念だけではなく、米国という大国から学ぶべきことを「日本に学ばせる」ために帰国したのであろう。

 こういう人々がいたからこそ、私たちは今、ガラパゴスでも幸せな“黄金の国ジパング”にいるのだ。そこを忘れてはいけない。

 今、「日本の経済も技術もスゲー」という一時代はすでに終わった。低成長時代に入り、海外を学び直す時期にある。人とモノと文化の輸出入に活路を見いだす時期にある。閉じこもることは、100年後の国の衰退につながるのである。外に向かって、内に向かって吠える時なのだ。

●ジパング語でいいじゃないか

 まずは英語。ネットのメイン言語は英語だし、Singlish(シンガポール英語)もSpanglish(スペイン英語)もInglish(インド英語)もKorianglish(韓国英語)も、みんな英語。22世紀に中国語が普遍言語になるまで、あと数十年は英語なのだ。

 されど、英語とは挫折であり、怠惰であり、恥かきである。だが、Zipanglish(ジパングリッシュ)でもいいじゃないか(と自分をなぐさめる)。英語学習を持続させるコツは“学ぶモチベーション”。ヨコシマだろうがタテシマだろうが、動機を持とう。語学学校の不振は、英語テクやメソッドに寄り過ぎて、モチベーションの喚起を忘れたところにある。

 知りたい、行きたい、なりたい。どんなビジネスもどんな教育も、そこから始まるのだ。【郷好文】

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